対人援助・スピリチュアルケア研究会

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研修コースのご案内

はじめに

スピリチュアルケアとは、終末期患者の場合に限らず、人生のさまざまな場面・状況で生きる意味を失い、自分に価値をおけなくなった人、生きることの空虚、無意味、孤独、負担、疎外を感じ、自己の生そのものに苦しむ人のスピリチュアルペイン(=自己の存在と意味の消滅から生じる苦痛)を和らげ、軽くし、なくするケアのことです。私たちはこのケアができる対人援助専門職を育成したいのです。

スピリチュアルケアの必要性は医療・福祉の現場にとどまりません。経済の高度成長期を経て物質的な豊かさを謳歌する日本社会で人々はかつて経験したことのない孤立や疎外、不安を体験し、生きることの無意味、無価値「自己の存在と意味の消滅から生じる苦痛(=スピリチュアルペイン)」に苦しんでいます。それはまた特に、教育の分野で児童・生徒・学生・青年の希望のなさ、無意味、無気力、暴力、無力感に現れています。スピリチュアルペインとそのケアは、その必要性がまだまだ認知されていない対人援助専門職の大きな未開拓の領域です。

皆様と協力し、この対人援助・スピリチュアルケアという意味深い人間の営みを探求し、深めたいと思います。共に学びましょう。

 

「受講をお考えの方へのご案内」
会員でなくても受けられる「対人援助・スピリチュアルケア研修A1」「スーパーバイザー育成研修A」「苦しみを和らげる認知症ケアA」の概要のご案内です。
ご自由にダウンロードしてご利用ください。
研修概要パンフレット

スピリチュアルケア研修

セミナーA 受講前初期セミナー

「研修A1を受ける前にもっと基本的なことを学びたい」「研修Aの3日間を調整するのは難しい・・・でも、スピリチュアルケアのことを知りたい!」「研修Aの基本を振り返りたい」、そんな方のための、スピリチュアルケア・半日セミナーです。受講資格は特にありません。
※ 新型コロナウイルスの影響で開催を見合わせています。

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研修A1 入門コース

研修A1は、生きる意味への援助~意味・価値・充実を学びます。
臨床現場で患者から「生きていても意味がない」「迷惑ばかりかけていて何のために生きているのかわからない!」と訴えられて困惑したことはありませんか? それはスピリチュアルペインを訴えられたのです。 この研修は、医療/福祉/援助専門職を対象として、がん患者のスピリチュアルペインの構造を人間存在の時間性・関係性・自律性の3次元で解明し、スピリチュアルケアの指針を示した村田(2003)の研究を基礎に、援助的コミュニケーション(傾聴)とスピリチュアルケアの理論を演習・ディスカッションで学び、病に苦しむ人へのスピリチュアルケア~[生きる意味への援助]を身につける3日間の研修です。場合により、職種を限定し行うことがあります。

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フォローアップ 現場実践の振返り

 フォローアップ研修では、研修Aで学んだ対人援助論や援助的コミュニケーション、スピリチュアルケアの理論をもとに、会員が臨床で取り組むスピリチュアルケア実践について検討し、ステップアップを図ります。 4時間の半日研修です。希望者は、SP-CSSの添削等も受けることができます。受講資格は、研修A、A1の修了者かつ、正会員であることです。

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研修A2 実践力を高める

 研修A2は、対人援助・スピリチュアルケア研修A1修了者を対象として、3次元存在論にもとづくスピリチュアルケアをチームで共有するためのアセスメントシートSP-CSS(スピリチュアル-カンファレンスサマリーシート)作成を通して、スピリチュアルケアのアセスメントやプランニングを系統的に学び、現場の実践力を高める2日間コースです。修了判定はないので、会話記録の添削など指導を受けたい方は何度でも受講することが出来ます。スピリチュアルケア実践の中堅者として研修B へのステップとなる研修です。

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セミナーB 実例を用いたワークショップ

 研修A1を受講された方々に対し、ワークショップ形式で豊富な事例を交えながら、理論的理解も補うスピリチュアルケア・半日セミナーです。フォローアップとは違い、会話記録の添削等はありませんが、半日でも濃密な内容で、ぐっとスピリチュアルケアの実践力を深めます。受講資格は、研修Aの受講経験者です。
※ 新型コロナウイルスの影響で開催を見合わせています。

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研修B さらに高度な実践力を修める

 研修Bは、対人援助・スピリチュアルケア研修A2を受講された会員を対象として、対人援助論と現象学的アプローチで3次元存在論にもとづくスピリチュアルケアの理論的理解を深めることで、さらに高度なスピリチュアルケア実践力を身につける本格的な専門職コースです。同時にまた、この研修は講師養成の準備段階と位置づけていますので、理論と自己の実践を意味づけ言語化する高いレベルの力を要求します。

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研修C 講師育成コース

 研修Cは、研修Bの修了者を対象とした、研修A1の講師を育成する指導者コースです。
第1期では、指導者が実施する研修Aを参観し、指導教案を作成します。第2期では、実際に講義の一部を行い、指導者からスーパービジョンを受けます。第3期では、自分で研修A1を開講し、その研修についてもスーパービジョンを受ける必要があります。 受講資格は、研修Bを修了し、正会員であることに加え、指導者の推薦が必要です。

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スーパーバイザー育成研修

研修A 入門コース

スーパーバイザー育成研修Aは、研修A1の修了者を対象とする<援助者の援助>ができる支持的スーパービジョンへの入門コースです。
「援助者は援助されていない」という現状があります。このため、援助者を援助しようとする人には、援助者が自分自身の援助について戸惑い、悩み、あるいは利用者、患者、学生との困難な問題に相対したとき、その悩みを聴くことで、その職員の援助の意欲を支えつつ、専門職性の向上を促す支持的スーパーバイザーの役割が必要となります。この研修は、援助者を援助するための、支持的スーパーバイザーとして必要な態度・知識・技術を習得する支持的スーパービジョンの入門コースです

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研修A フォローアップ

 この研修では、スーパーバイザー育成研修Aを修了された会員を対象として、スーパーバイザー育成研修Aにおける対人援助論や傾聴、スーパービジョン援助プロセスの援助的コミュニケーション、現場スタッフの援助できない苦しみへの援助者の援助を復習し、研修A修了後の現場の実状から支持的スーパービジョン・援助者の援助を実践する方法について検討し、ステップアップを図ります。研修B受講の受講条件となります。

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研修B さらに高度な実践力を修める

 スーパーバイザー育成研修Aを修了された会員を対象として、対人援助論と現象学的アプローチで<援助者の援助>の理論的理解を深めることで、さらに高度な支持的スーパービジョンの実践力を身につける本格的な専門職コースです。同時にまたこの研修は講師養成の準備段階と位置づけていますので、関係性こそがスーパービジョンの核であるという支持的スーパービジョンの理論と自己の実践を意味づけ言語化する高いレベルの力を要求します。

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研修B’ 個別指導

 スーパーバイザー育成研修Bの受講者を対象とし、個々のスーパービジョンの実践力を高めます。
メールでの個別指導(3ヶ月)+3時間の講義・演習1回コース。 受講者は、3ヶ月の間に毎月一本のスーパービジョンの会話記録を講師に提出し、添削を受けます。講義・演習では、講師の指導の下、受講者間相互に講読を行います。修了判定はないので、会話記録の添削など指導を受けたい方は何度でも受講することが出来ます。受講資格は、スーパーバイザー育成研修Bダッシュを受講し、かつ本会の正会員であることです。

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研修C 講師育成コース

 スーパーバイザー育成研修Bの修了者を対象とした、スーパーバイザー育成研修Aの講師を育成する指導者コースです。受講資格は、スーパーバイザー育成研修B修了+Bダッシュ受講、かつ正会員であることに加え、指導者の推薦が必要です。(また、C研修の申込み時に、スーパーバイザー育成研修Bダッシュで添削を受けた会話記録を一本、提出する必要があります。)

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苦しみを和らげる認知症ケア研修

セミナー 受講前初期セミナー
「研修Aの3日間を調整するのは難しい・・・でも、認知症ケアのことを知りたい!」「研修Aの基本を振り返りたい」、そんな方のための半日セミナーです。受講資格は特にありません。

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研修A 入門コース

 「ごまかし/かわし/すかし/うそをつき/スルーする」これらはすべて、例えば突然「家に帰る!」と立ち歩く認知症の人の「症状」と格闘する現場職員の苦しみの対応なのかもしれない。たとえそれでこの場は収まったとしても、これは再び・・・延々と続く「症状」が現場スタッフの苦しみ(疲弊、無意味・空虚)となります。しかしこれら徘徊、物盗られ妄想、帰宅願望、介護拒否、せん妄、抑うつ等の多くは、認知症の人の“想い出せない苦しみ”の現れなのです。その認知症の人の苦しみを和らげることが、対応困難な症状を落ち着かせ、問題行動も収まることになります。これが“苦しみを和らげる認知症ケア”です。そこから見えてくるものは、ごまかしのない真の認知症ケアへの道です。もう、ごまかし、うそをつく必要はありません。苦しみのない真の認知症ケアへの道を探求しましょう。この研修は認知症ケアに悩む援助職にとって、援助の基本的概念を学び、明日からの実践に力が得られる3日間です。

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研修A フォローアップ
 苦しみを和らげる認知症ケア研修Aを修了された会員を対象として、研修Aにおける対人援助論や傾聴とタッチング(ふれる)の援助的コミュニケーション、認知症の人の想い出せない苦しみの理論的理解を深め、研修A修了後の現場の実状から苦しみを和らげる認知症ケア実践について検討し、ステップアップを図ります。

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研修B さらに高度な実践力を修める

 さらに高度な苦しみを和らげる認知症ケアのコースです。苦しみを和らげる認知症ケア研修B(専門職コース)は同研修Aを修了された会員を対象として、対人援助論と援助的コミュニケーションに基づく‘苦しみを和らげる認知症ケア’の理論的理解を深めることで、さらに高度な‘ケア’の実践力を身につける本格的な専門職コースです。同時にまた、この研修は指導者養成コースである苦しみを和らげる認知症ケア研修Cの準備段階と位置づけていますので、理論と自己の実践を意味づけ言語化する高いレベルの力を要求します。

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研修B フォローアップ
 フォローアップ研修Bでは、苦しみを和らげる認知症ケア研修Bを修了された会員を対象として、研修Bでの現象学にもとづく対人援助関係性の研究や3次元存在論からの認知症の人の苦しみの解明と理解を主題として、傾聴とタッチング(ふれる)の援助的コミュニケーション、妄想や徘徊などの周辺症状への理論的理解を深め、研修B修了後の現場の実状から苦しみを和らげる認知症ケア実践について検討し、ステップアップを図ります。

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研修C 講師育成コース

 認知症ケア研修Bの修了者を対象とした、認知症ケア研修Aの講師を育成する指導者コースです。受講資格は、認知症ケア研修B修了者で、かつ正会員であることに加え、指導者の推薦が必要です。(また、C研修の申込み時に、認知症ケア研修Bで添削を受けた会話記録を一本、提出する必要があります。)

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聴講について

研修修了後、各研修の復習をしたいという会員の要望に応え、正会員は、対人援助・スピリチュアルケア研修A・B、スーパーバイザー育成研修A・B、および苦しみを和らげる認知症ケア研修A・Bを修了すると、修了した研修の聴講が出来るようになります。
聴講の場合、基本的に課題はありません。ただし、聴講生は研修時に発言する機会などもないことから、聴講生の学びを保証するために感想文だけ書きます。毎回の課題もなく、他者の学びを共有できることから、スピリチュアルケアを振り返りたい方に人気です。(フォローアップ、セミナーでは聴講は出来ません)

会話記録添削講座

会話記録添削講座
 会話記録添削講座は、スピリチュアルケア研修(SPC研修)、スーパーバイザー育成研修(SSV研修)、苦しみを和らげる認知症ケア研修で学んだことを会話記録の添削を通して深め、次の援助に進める講座です。
この講座では、それぞれ3つの研修を修了した正会員3名が1グループとなり、各自が自分の会話記録を講師に提出し、添削・コメントを受けると同時に、他のメンバーの会話記録を添削し、それに対する講師の添削とコメントを参照しつつ、メンバーで3時間のWEB会議ディスカッションをします。主題は、「援助になったか?」「コミュニケーションはどうか?」です。そこから見えてくるものは自分自身の対人援助・スピリチュアルケアの実践です。
それぞれに、一般コースA、上級者コースB、講師育成コースCがあります。
会話記録添削講座スピリチュアルケア研修
一般コースA スピリチュアルケア研修A1修了かつ正会員が対象です。
上級者コースB 会話記録添削講座スピリチュアルケアA修了者が対象です。
講師育成コースC 会話記録添削講座スピリチュアルケアB修了者が対象です。
会話記録添削講座スーパーバイザー育成研修
一般コースA スーパーバイザー育成研修A修了かつ正会員が対象です。
上級者コースB 会話記録添削講座スーパーバイザー育成研修A修了者が対象です。
講師育成コースC 会話記録添削講座スーパーバイザー育成研修B修了者が対象です。
会話記録添削講座苦しみを和らげる認知症ケア研修
一般コースA 苦しみを和らげる認知症ケア研修A修了かつ正会員が対象です。
上級者コースB 会話記録添削講座苦しみを和らげる認知症ケア研修A修了者が対象です。
講師育成コースC 会話記録添削講座苦しみを和らげる認知症ケア研修B修了者が対象です。

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勉強会

研究会の講師が企画し、会員の対人援助・スピリチュアルケア研究と実践への意欲を高め、会員相互の交流を図ります。

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